2010.06.28 Monday
■絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」
43年前初版のロングセラー絵本です。
小さいお子さんのいる方へのちょっとしたお礼なんかにプレゼントしたりしています。
加古里子さんの絵本は子どもへの愛情がたっぷりとあって、のんびりゆったりしていて私は大好きです。
ちいさいだるまちゃんが「てんぐちゃんのようなのがほしいよう」とつぎつぎにおとうさんのだるまどんに要求すると、その都度だるまどんはたくさん用意してくれるのですがだるまちゃんのほしいのと違う。あるとき「花と鼻」をだるまどんが間違えたら顔を真っ赤にしてだるまちゃんは怒ってしまうのですがそんなこともとてもかわいい。
そんな絵本の内容にある時、プレゼントした男の方からこんなに子どもの要求を叶えてあげるってのは教育上いかかがなものかという質問をされたのですが…、はい、いいんです。絵本というものは、子どもに教訓を与えたり教育したりするものではないからです。子どもは自分で普段かなえられない要求を替わりにだるまちゃんがどんどん出してくれて、だるまどんがどんどんかなえてくれる、そこにものすごい開放感を感じるのではないかと私は思うのです。そして、親であるだるまどんがいつでも寄り添って支えてくる姿を見て安心感が生まれるんだと思うんですよね。でも、大丈夫、子どもは絵本のファンタジーの世界から現実の世界へ間違える事無くちゃんと戻るんです。だるまちゃんとてんぐちゃんをよんでもらった翌日からわがままになるなんでことにはならないんですね。
巨匠モーリス・センダック曰く「子どもはファンタジーの世界と現実とを自由に行き来することで心を浄化している」と。
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